理事長就任挨拶
この度7月1日付をもちまして、理事長に就任いたしました杉山です。非才の身にとりまして、大変重い役職でありますが、微力を尽くしたいと考えております、宜しくお願い申し上げます。
本顕彰会は、終戦後、陸海軍主要な地位にあった方々の、特別攻撃隊戦没者に対する慰霊顕彰の想い、そしてこれを凝縮した形での観音像の創作に始まり、同像の世田谷山観音寺への奉遷・奉賛活動、竹田恒徳初代会長の下での特攻隊慰霊顕彰会として発展発足、瀬島龍三会長時代財団法人として認可(特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会)。そして本年初頭法人制度改革により、山本卓眞会長の下、公益法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会として再発足した長い歴史を持っています。戦後、反戦・左翼的症候群とも言える逆風が吹き荒れる中、慰霊事業は、遺族・戦友等心ある人々により立派に申し継がれ、この方々の英霊に対する誠意は、見事に結晶し、高く評価さるべきものであります。しかし反面、軍人の方々の、戦争責任を自らのものものとして専担し、言い訳をせず、世上の非難に耐えて国家再生に道を拓いてきた潔さもあり、本来国民的活動であるべき特攻隊戦没者への慰霊活動は、遺族・旧軍関係者と言う狭い社会に留まって来たのも事実であります。終戦より66年余、最も若い将校であった山本会長も、既に齢85歳年齢的限界はやむを得ないところと拝察申し上げるところです。すなわち、旧軍関係者の方々が、逆風の中立派に果されてきたこの事業は、今後続く我々の世代が継承し、むしろ国民的広がりを得て、我が国が繁栄すればするほど、英霊の方々が望んだ社会に生きる者として、尊い犠牲に想いを致し、感謝の念を噛みしめねばなりません。
私ごとになりますが、戦争末期小学校一年生でありました私は、低空を舐めるように西航する20機、30機の戦闘機編隊の勇姿を覚えております。そして大人達の「まだまだ(戦闘機が)有るなー」と感嘆する声、「みんな特攻で、突っ込みに行くんだ」と密やかに語り合う声。既に特攻隊の何たるかを、子供ながらに知っていた私は、手を握り締め、「僕も大きくなって必ず続くぞ」と呟いた戦争下の少年らしい想い出を持っております。以来馬齢を加えて参りましたが、事に付け若くして散華した英霊の心情に思いを致し、自戒奮励の糧として参りました。
社稷軟弱にして、政治家不信の漂う容易ならぬ事態のこの頃、若い命を国の将来に託して散った方々の偉大な価値を今一度思い起こして、ともすれば怠惰・利益・享楽に堕しがちな人の弱さを叱る「天の鞭」としなければなりません。かく言う意味からも我々が継承すべき活動は、これからの我が国にとって極めて重要な事と信ずるものであります。皆さま方のご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。
平成23年7月1日
公益財団法人 特攻隊戦没者慰霊顕彰会
理事長 杉山 蕃